和歌山YMCA国際福祉専門学校 介護福祉士科
YMCA(Young Men’s Christian Association)は、キリスト教精神を基盤として、青少年の成長を願って活動する非営利団体です。
様々な企業が人財不足で悩んでいる昨今、和歌山市内にある学校に赴き、各学校の就職担当者から生徒の就活事情について取材いたしました。
Q1.就活に有利になるような特別なカリキュラムはありますか?
当学科は介護福祉士の養成を担っていますので、学生の皆さんには「介護福祉士」という国家資格の取得を目標に学んでいただきます。資格そのものの取得が就活に有利になりますが、資格取得のための特別なカリキュラムとして、1年生で5週間、2年生で8週間の現場実習を盛り込んでいます。(1年生:5つの施設で1週間ずつ実習し、様々な現場を経験。2年生:2つの施設に絞りみっちり4週間、それぞれの現場をしっかり経験。) また、当校はキリスト教系の団体ですのでキリスト教概論という授業があります。キリスト教の大事な教えの中で「人に仕える」ことについてを半年間通して、カリキュラムの中に組み込んでいます。また、新卒ではない方でも、再就職やスキルアップのための離職者訓練として本校に入学し、資格を取得される学生さんもいます。
Q2.そのカリキュラムはどういった点が就活に有利になりますか?
特別養護老人ホーム、老人保健施設、グループホーム、障がい者施設、デイサービス・訪問介護に実習に行きます。しっかりと学生を指導いただける施設を選定していますので、それぞれの施設での経験が学生の学びになることはもちろんなのですが、就活という点で考えると、それぞれの施設での「できること・やらないといけないこと」の違いを就職までに体験でき、就職後のギャップをなくすことができることが強みではないでしょうか。
Q3.学生に人気の職業はどのような職業ですか?
障がい者施設や特別養護老人ホームは全く違いますが割と万遍なく就職されています。その中で敢えて言うならば特別養護老人ホームが一番多いですね。現在1年生2年生を合わせて47名在籍しています。日本人が16名、留学生が31名います。留学生はN2もしくはN3以上の資格を持っているので問題なく授業ができています。留学生はベトナム、インドネシア、ミャンマーから来られています。
※日本語能力検定 国際交流基金と日本国際教育支援協会が共催で実施している世界最大規模の日本語試験。N1(むずかしい)~N5(やさしい)
Q4.学生が企業に対して求めていること3選を教えてください
給料を1番目に挙げましたが、各施設の初任給は実際のところそれほど大差ないので、職場の雰囲気で就職先を選んでいる生徒が多いように感じます。
Q5.県内・県外に就職する学生の割合を教えてください
ほぼ和歌山県内です。和歌山市だけではなく岩出市、有田市、田辺市などにも就職しています。大阪南部にも就職する場合もありますが1割もいないです。30人中1人くらいです。
Q6.担当者様が考える県内・県外に就職する理由はどのようなものが考えられますか?
大阪府内は和歌山県内に比べて給料は高いと思います。ただ外向きな学生が少ないのかもしれないです。自宅から通勤できる範囲でと考えて来ている学生が多いです。就職については9月以降から特に11月12月に就職活動をしています。
Q7.最後に就活に有利になるような学校のPRをしてください
2年生の終盤、1月に国家資格試験を受けます。本校学生の合格率は全体で97%、日本人では100%となっており、授業カリキュラムの中で国家資格試験の対策もしっかりできていると言えます。また、現行の法制度では仮に資格試験に合格できなくても卒業後5年間は介護福祉士としての登録が可能なので、留学生の皆さんにとっても本校の卒業は就活や卒業後の生活面で有利になると思います。本学特有の利点としては日本人学生と留学生が共に学べる環境にあることが挙げられると思います。外国の方が福祉の現場で働く機会が増えてきています。本学での学生生活は卒業後の職場の疑似体験とも言える環境です。さらに、留学生には明るい子が多いです。おとなしかった日本人学生が留学生と共に学ぶことで積極的にコミュニケーションをとれるようになったりもしています。このあたりが有利になっていると思います。
これから就活を迎える学生の皆さまへ
本校は普通の大学や専門学校と比較すると、授業や実習が多く、休みは少ない方だと思います。教員には介護福祉士の資格を有し、現場経験も豊富なベテランが多数揃っています。先ほどから紹介している現場実習では、1年生の頃は入居者さんとのコミュニケーションから始めることになりますが、2年生にもなると介護計画の立案まで実施できるようになります。介護福祉士という資格・職については、厚生労働省等でも上級資格制度としての導入が検討されており、さらに圧倒的な人財不足の中で、介護・福祉分野の仕事が無くなることはまずありえません。また、介護・福祉業界は収入が低いと言われがちですが、各施設の努力でボーナス等が改善され始めており、年収ではそれなりにいただけるようになってきています。また、施設によっては留学生でも5年目で役職について年収が400万円近くになっている方もいたりします。もちろん収入面だけでなく仕事の中でやりがいや楽しさを見つけてこの職を続けていく人もいます。自分に合った道を見つけるのが大事かと思います。
貴重なお話、ありがとうございました。以上で、「~おしえて!就活世代の今~」和歌山YMCA国際福祉専門学校編を終了させていただきます。
次回の記事もお楽しみに~!
【今回の取材先情報】
学校名:和歌山YMCA国際福祉専門学校
電話番号: 073-473-3338(代)
住所:和歌山県和歌山市太田1丁目12-13
HP URL: https://www.wakayamaymca.org/