和歌山市の観光名所や、和歌山市の歴史を感じながら、休日を過ごせるスポットを紹介していきます。
文化財の宝庫である和歌山市から、今回は和歌山県立博物館と近代美術館についてご紹介します。
和歌山県立博物館と和歌山県立美術館は、1963年に創設された県立美術館を前身として和歌山城二の丸跡に設立されました。その後、1994年に和歌山城の南側に移転されて現在の建物になりました。いずれの建物も、全国の多くの博物館や美術館を設計した建築家である黒川紀章氏が、隣にある和歌山城という歴史的存在と対をなすイメージを土台にして「共生」という基本コンセプトに基づいて設計したもので、国土交通省が選定した「公共建築百選」に和歌山県で唯一選ばれています。
博物館では、和歌山県ゆかりの文化財等を収集、保管、調査しており、多くの文化財や資料が展示されています。和歌山の歴史について、縄文時代から近代までを追うことのできる常設展と、1~2か月毎に新しい内容になる特別展・企画展があり、毎月訪れても飽きることのない展示となっています。
取材時は「仏像は地域とともに―みんなで守る文化財―」と題して和歌山に伝わる仏像についての特別展が行われており、地域に伝わる様々な仏像から、地域に根付いた信仰や人びとの生活が伝わる内容でした。また、地域で保管される仏像は盗難や損壊にも遭いやすいという問題があり、度々ニュースにもなっています。このような問題を打開するために、博物館では、和歌山工業高等学校や和歌山大学と共同で3Dプリンターによるレプリカを作成してお寺などに安置し、貴重な文化財である本物の仏像を博物館で預かって保存する、といった活動が紹介されていました。
館内には実際に触ることのできる文化財のレプリカも置かれており、文化財の保存と広めていくことを両立させる仕組みがとられています。
和歌山県立博物館の隣には和歌山近代美術館があり、こちらでは和歌山にゆかりのある芸術家の作品や近代絵画を中心に展示されています。美術館では1~2か月毎に代わるテーマで多くの作品が展示されており、色々な視点から作品を鑑賞することができるようになっています。
作品展示 美術館ロビー
和歌山県立博物館、和歌山近代美術館はいずれも、第1日曜日は誰でも入場無料となっておりますので(令和4年3月時点・詳細は各施設にご確認ください。)、お気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
次回は、和歌山城付近の史跡等についてご紹介させていただきます。是非ご覧ください。